サプライチェーンの自律性強化とデュアルユース技術の活用による、経済安全保障と防衛・経済の好循環創出に向けた戦略的方針。
タグ: 経済安全保障, サプライチェーン, デュアルユース, 産業政策, 地政学リスク, 防衛産業
現状 環境変化 構造変化 日本のグローバル産業の勝ち筋 政策 グローバル産業横串で具備すべき戦略の方向性③ <自律性/不可欠性を起点とした成長> C. サプライチェーン強化等を通じた経済活動の持続性向上 米中関係など、地政学リスクの高まりと世界経済のフラグメント化が進展する中、自律性をコアとしたサプライチェーンの持続性をいかにして高めるかが中長期的な競争力の源泉となる。サプライチェーンであるがゆえに個社を超えた連携が必要となる中、「合成の誤謬」を脱却するための方策を官民連携して実行することが必要。 こうしたリスクは大国含めて各国共通して発生する中、我が国が世界の産業構造にとってかけがえのない技術や物資を供給する不可欠性を持つことは、ビジネスの観点から見ると、その技術・物資における高いグローバルシェアを獲得することで多大な利益を得ることにも貢献し得る。加えて、日本の自律性に対するチャレンジが発生し得る場合の対応力を高めることにもつながる。いかにしてこうした不可欠性を形成する製品・技術等を多く持つかが重要。 現下、効率性重視のグローバル化が進む時代から地政学リスクへの対応が不可欠な時代に転換しつつある中、産業界に供給安定性といった新たな価値が企業価値の向上につながるという経営マインドの醸成と企業行動の変容を促し、国と企業が視点を揃えるための仕組みや仕掛けが必要。 直近のトレンドとしては、米国自身がこうしたリスクを強烈に意識し、プライスフロア等の特定国に対する新たなハイフェンスを生み出し、同志国への連携を求め始めている。産業政策に加え、こうした通商政策上の新たなトレンドにどう戦略的に向き合うかも含め、ミドルパワーとしての経済安全保障政策の進化が必要。 D. デュアルユース領域の拡大を通じた防衛と経済の好循環 世界的に安全保障環境の厳しさ・複雑さが増大する中で、防衛力強化の重要性が上昇。米国の動き・スタンスの変容もあり、NATO加盟各国の防衛費支出目標をGDP比5%に引き上げるなど、国際的に防衛力強化に向けた取組が活発化。中でも、ウクライナ・ロシア戦争の経験を踏まえ、①「新しい戦い方」におけるドローンなどのデュアルユース技術の重要性、②長期戦に対応可能な継続能力=工業力の必要性といった、民生分野も含めた生産・技術基盤の強化の必要性が認識されることとなった。 我が国としても、デュアルユースを含めた国内の生産・技術基盤の強化に取り組んでいくことが重要であり、防衛ニーズを起爆剤としたスタートアップも含めたイノベーションの活性化(スピンオフ、スピンオン)、デュアルユース含めた自国の工業力の強化、デュアルユース技術を活用した海外の民生市場の獲得や防衛装備移転といった取組を進めていくことが必要。こうした取組は、グローバル産業の競争力の強化を通じて、「防衛と経済の好循環」の創出にも貢献。 36