マクロ経済運営とグローバル競争型産業の強化に向け、供給制約の解消やレジリエントな産業構造への転換を提言。
タグ: 経済成長, サプライチェーン, 生産性向上, 産業構造転換, グローバル競争力, 官民連携
今後の検討課題① 【マクロ経済運営のあり方】 ● 人手不足をはじめとした供給力不足は、引き続き、持続的な経済成長の律速要因。中東情勢を踏まえ、国内産業基盤の強化を含めたサプライチェーン強靭化の重要性が再認識されている。また、成長戦略によってさらに国内投資にアクセルを踏むことにより、短期的な需給逼迫が加速し得る。このような背景から、供給制約度と他産業への波及効果性が高い産業領域を特定し、明確な優先順位をつけて、政府大で当該産業領域の供給制約解消・生産性向上策を講じるべきではないか。 ● 成長戦略でさらに国内投資にドライブをかけていくこととなる中、賃金に関しては投資による労働生産性の向上を実質賃金につなげていくことがより一層求められるのではないか。外部環境としては、短期的には、実質賃金低下の要素となる中東情勢等による交易条件の悪化リスク、中長期的にはAI・ロボットによる労働代替→供給過多による賃金低下リスクも想定される中、それぞれのリスク発現の時間軸・リスクの性質に対応した方策の検討が必要となるのではないか。 ● ネットワークの高度化/複層化や地政学リスクの高まりによって、SCの”システミックリスク”等がマクロ経済運営に影響を与える等、マクロ経済運営とセミマクロの市場形成、ミクロの産業政策は相互一体性を高めつつある。こうした構造変化への対応方策について、米国を中心としてグローバルなアカデミアでは既に議論が重ねられつつある中、こうした議論も踏まえ、中長期的なマクロ経済運営上の課題の所在や、政策のあり方について検討を深め、マクロ経済運営の進化をリードすべきではないか。 【グローバル競争型産業】 ● レジリエントな産業構造への転換:グローバル競争型産業の持続的成長には、国内サプライチェーン全体の維持・発展が不可欠。エネルギーや重要物資の供給制約、人口減少等に象徴される内外情勢の変化が進む中、想定されるリスクへの耐性を備えた産業構造へ転換する必要。こうした産業構造転換に向けては、「対応すべきリスク事象」と「確保すべき冗長性」の特定を踏まえた「レジリエントな産業構造」の具体化と、その実現に向けた官民の機能・役割分担や、それに応じた政策の進化が必要ではないか。 ● グローバル競争力の強化:世界で“勝ちきれる”グローバル産業戦略を構築していくためには、競争優位を確立するための「勝ち筋」にリアリティがあるか(各製品・技術は単体ではなく組み合わせによるソリューションとしての価値を追求する等)といった観点に加え、経営トップのコミットメントが得られるか、グローバル競争に勝ちきるビジネス・ケイパビリティを持っているか、といった観点も重要。こうした観点から官民挙げてリソースを重点化すべき産業・企業を特定し、PDCAサイクルを回していく上で、どういったメカニズムが必要か(各分野の将来の市場規模や競合するリーディング・カンパニーの分析も踏まえた、官民での対話スキーム等)、そのために政府にどういったケイパビリティが必要かなどについて、具体的な検討をすべきではないか。 38