デジタル化に伴うライセンス取引の増加を受け、営業秘密や限定提供データのライセンシーを保護する制度の必要性と今後の検討方針をまとめたもの。
タグ: 不正競争防止法, 営業秘密, 限定提供データ, ライセンシー保護, 知的財産権, デジタル化
参考:デジタル化に伴うビジネスの多様化を踏まえた不正競争防止法の在り方(2023年3月) 営業秘密及び限定提供データに関するライセンシーの保護制度の創設(抜粋) オープン・イノベーションの進展等を背景に、自社で保有している技術(ノウハウ)やデータを他社にライセンスする機会が増加している。しかし、不競法には、特許法や著作権法等の知的財産権法において設けられている権利者から許諾を受けたライセンシーの保護に係る規定がない。他方、実務上、営業秘密や限定提供データを対象とするライセンス取引が行われている中で、現行法では、ライセンスの対象となる営業秘密・限定提供データやこれに関連する事業が譲渡された場合やライセンサーが破産等してライセンス契約が管財人により解除された場合、ライセンシーは、事業等の譲受人や破産管財人に対して当該技術やデータの使用継続を主張する権利・権原が当然にはない。 このように、ライセンシーの地位が不安定であることを踏まえ、(中略)ライセンシーを保護するための制度整備が必要・期待される、といった意見が多くあったため、今後具体的な制度整備について検討を進める、との方向性を示した。なお、具体的な対応方法については、①営業秘密等を利用する利用権を新たに設定し、当該権利の対抗力を規定するアプローチ、②適用除外規定の整備(営業秘密保有者等から取引によって営業秘密等を取得した者がその取引によって取得した権原の範囲内において当該営業秘密等を使用する行為を不正競争行為の対象から除外する、かつ破産法第53条第1項等の適用除外を規定する)を行うアプローチを提示し、制度の実現可能性、ライセンシー保護の安定性、実務への影響等の観点を踏まえつつ、今後具体的な検討を進める、との方向性を示した。(中略) 営業秘密及び限定提供データに関するライセンシーの保護制度の措置にあたっては、法理上なお整理すべき課題がある中で、特許法等と同様の制度措置を行うことへの潜在的なニーズは存在するものの、現時点では実際のトラブル事例が顕在化していないことから、実務の動向を注視し、取り得る措置について、関係省庁等と調整しつつ、引き続き検討を継続していく、との方向性を示した。上記提案について、本小委員会においては、大きな異論がなく、了承された。 18