不正腐敗防止に向けた国内の合意制度導入と、OECD等を通じた諸外国の法制度・執行状況の調査・フォローアップについて解説している。
タグ: 不正腐敗防止, 刑事訴訟法, 合意制度, OECD, コンプライアンス, 国際協力
3. 「JICA 不正腐敗防止ガイダンス」120の策定 4. 企業のコンプライアンス強化のための方策 5. 相手国政府への一層の働きかけ 6. 相手国のガバナンス強化、不正腐敗防止に関する能力向上支援 (3)合意制度(刑事訴訟法第350条の2) 平成28年5月の刑事訴訟法の改正により、合意制度が導入され、平成30年6月に施行された。 不正競争防止法の罪は、合意制度の対象犯罪となっていることから、当該制度の導入により、不正競争防止法の罪について、検察官と被疑者・被告人が、弁護人の同意がある場合、被疑者・被告人が他人の刑事事件について供述をするなどの協力行為をし、検察官が、被疑者・被告人の事件について、不起訴にしたり、軽い求刑をするなどの有利な扱いをすることを内容とする合意をすることができるようになった。 3. 国際的な諸外国等の法制度及び運用に関する動向 (1)諸外国における法制度・執行状況運用の概要 条約加盟国の法制度・執行運用状況については、OECDにおいて随時フォローアップされているところであり、これを通じ関係国の情報を入手することが可能である121。 加えて、平成15年6月には、外務省において、諸外国における法制度を関係国に対し調査を実施した。その結果、米国、韓国、ポーランド、カナダ、スウェーデンの5ヶ国において起訴事例が報告されている122。 120 https://www2.jica.go.jp/ja/odainfo/pdf/guidance.pdf 121 OECDにおける条約の履行状況に関する相互審査結果に関する情報については、以下を参照。 https://www.oecd.org/investment/countryreportsontheimplementationoftheocdanti-briberyconvention.htm 各国における執行状況については、以下を参照。 https://www.oecd.org/corruption/data-on-enforcement-of-the-anti-bribery-convention.htm https://www.oecd.org/investment/anti-bribery/anti-briberyconvention/phase1countrymonitoringoftheoecdanti-briberyconvention.htm (フェーズ1審査) https://www.oecd.org/investment/anti-bribery/anti-briberyconvention/phase2countrymonitoringoftheoecdanti-briberyconvention.htm (フェーズ2審査) https://www.oecd.org/daf/anti-bribery/anti-briberyconvention/phase3countrymonitoringoftheoecdanti-briberyconvention.htm (フェーズ3審査) 122 本調査によれば、米国では45件、韓国では2件、スウェーデン1件、カナダ1件などの起訴事例がある。(韓国については平成15年3月現在、その他の国については、平成14年1月現在。) 58