大規模組織における秘密管理の役割分担と、子会社・海外拠点を含む管理体制構築の重要性について解説。
タグ: 営業秘密, 不正競争防止法, 情報管理, コンプライアンス, サプライチェーン
第4章 秘密情報の管理に係る社内体制のあり方 部門横断的な組織と各部門の役割分担の事例 ◆ 製造業・大規模の事例 ~全社的なモデルとその例外とのバランスがとれた仕組み~ 部門・拠点が多いことから、中心的な部門において、秘密情報の管理についての原則的な方針を定めて、各拠点・各部門に示し、実際の運用の多くは各拠点・各部門の責任者を任命して行わせている。例えば、中心的な部門において、「極秘情報」、「秘密情報」といった秘密情報の分類の方法や、「どのような情報を、どの分類として指定すべきか」といった考え方や事例についてのモデルを作成する。各拠点・各部門においては、そのモデルを基に、責任者が運用を行っているが、そのモデルとは異なったルールで情報管理を行いたいと考える場合には、各拠点・各部門から、その理由も合わせて中心的な部門へと伝え、それを許可するという仕組みとすることにより、全社的な統一と、各拠点・各部門の実情に沿った柔軟性のバランスを図っている。 (子会社・委託先等を含めた秘密情報の管理体制の構築) 〇 一定程度の事業規模を有する企業の場合、国内外を問わず、子会社や各地の支社を有しており、自社の秘密情報が共有する場合がありますが、当該子会社や支社においても、自社の秘密情報の管理に係るルールや対策が徹底されるようにすることが重要です。 ※令和5年の不正競争防止法改正において、国際的な営業秘密侵害事案における民事訴訟の手続が明確化され、日本国内において事業を行う営業秘密保有者の営業秘密であって、日本国内において管理されているものに関する民事訴訟であれば、海外での侵害行為(不正な取得・使用・開示)も日本の裁判所に訴訟を提起することができ、その際に日本の不正競争防止法が適用されると規定されました(国際裁判管轄について第19条の2、適用範囲(準拠法)について第19条の3。)。これにより、日本国内において保有・管理されている営業秘密だけでなく、海外に所在するサーバに蔵置されている営業秘密についても、海外での侵害行為に対し日本の不正競争防止法に基づいて保護を受けることが可能となりましたが、この保護を受ける上で、日本国内で管理体制を敷いていること(例:ID・パスワードの設定など)が必要なことから、営業秘密を海外に所在するサーバに蔵置している場合には、これらを意識して取り組むことが重要となります。 〇 また、委託先やサプライチェーンに関わる複数の企業など、他社に自社の秘密情報 133