のれんの定期償却に関する国際的な会計基準の変遷と、日本が直面している現行ルール維持の課題について解説。
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国際比較論における「のれん定期償却」の課題 2 アメリカでは、2001年にM&Aを促進することを目的に「のれんの規則的な償却を認めない」ルールの変更を行っている。 米国の財務会計基準審議会(FASB)は2001年に、のれんに関する会計基準を改定した。従来、のれんは40年以内に規則的に償却しなければならないと定めてきたAPB意見書第17号「無形資産」(1970年)に代えて、のれんの規則的な償却を認めない財務会計基準書(SFAS)第142号「のれんその他の無形資産」を公表したのである。それと呼応するように、国際会計基準審議会(IASB)ものれんの会計基準を改定した。すなわち、のれんの規則的償却を定めていた国際会計基準(IAS)第22号「企業結合会計」に代えて、国際財務報告基準(IFRS)第3号「企業結合」を2003年に公表し、のれんの規則的な償却を禁止したのである。(学習院大学 経済学部 経営学科 川本 淳教授「のれんの償却をめぐる論点」より抜粋) 2022年、IFRSを定めるISABではのれんを定期償却しない現行ルール維持を決定。 日本は自国で採用している償却ルールを採用すべきと長年主張してきたが、審議委員11人中10人が現行の定期償却を認めないルール維持に賛同した。(2022年11月25日の日経新聞ご参照) グローバルでみても上場企業の定期償却ルールを認めている国は日本とスイスのみ。