量子センシング技術の社会実装に向け、リソース不足や不確実性といった課題を整理し、国内投資支援、需要創出、立地強化、国際連携の4つの柱からなる政策パッケージを提示している。
タグ: 量子センシング, 官民投資, 研究開発支援, 社会実装, 人材育成, 国際連携
3. 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ【政策手段】 量子 量子センシング (1)投資促進に向けた課題 ①リソース制約 ・人材:基礎研究から技術開発までを行う研究人材やエンジニアリング人材、技術からビジネスを生むための経営やマーケティング、投資などに知見のあるビジネス人材が不足。 ・インフラ等:要素技術、ユースケース、ビジネスモデル検証のためのテストベッド環境が不十分(安全保障上で重要な技術のためのセキュアな研究環境の整備を含む)。 ②不確実性の要因 ・事業・技術:技術進展の不確実性、製品化・事業化に至るまでの時間的見通しの不確実性 ・市場:市場立ち上がり時期の不確実性。特に、量子センシングは用途ごとにシーズとニーズのマッチングの困難性を有し、事業化の見通しにばらつきが生じやすい。 ・財務:大規模かつ長期に及ぶ投資に伴う資金調達の困難性、キャッシュフローの不安定性 ・国際環境・政策:地政学リスク、各国の規制・制度変更の影響 (2)講じるべき政策パッケージ ①国内投資支援 ・国産量子センシング技術やそれを支える材料、部素材に関する技術の性能向上や実装に向けた研究開発支援。 ・要素技術、ユースケース、ビジネスモデルの検証のためのテストベッド環境整備への投資(経済安全保障及び安全保障上重要な技術に係る研究のためのセキュアな研究環境の整備を含む)。 ・研究開発税制等の税制措置を活用した研究開発を積極的に行う企業に対するインセンティブ措置 ②需要創出・市場確保・社会実装支援 ・政府調達ニーズや社会課題に基づく研究開発支援制度(SBIR等)を通じて国内の初期需要を創出。特にPNT等の防衛・防災分野について、ニーズとシーズのマッチング機能を構築するとともに、政府からの継続的な研究開発支援の強化や調達による開発実証機会の提供を含めて需要を創出、社会実装を加速する。 ・国際標準としてオープンにすべき部分と、競争力の源泉として戦略的に保持すべき部分を切り分けた知財化・標準化を推進。 ・ユースケースの実証やシステム化を含めた研究開発を支援し、ユーザー企業等の需要の見通しを明らかにすることを通じて事業化を促進する。 ③立地競争力強化 ・量子科学技術研究開発機構等の国研や大学を中心としたテストベッド環境の拡充や利用体制の構築。世界最高峰の人材や技術、設備が集うグローバルハブを構築し、民間企業等の開発コスト低減とプレイヤー間の連携を促進。 ・国が主導する研究開発プロジェクトを通じた大学・国研の研究・人材基盤の強化。 ・優秀・多様な人材を確保・定着させるための競争力ある待遇の実現や大学院生への経済的支援などのインセンティブ付与、量子技術開発の基盤となる研究教育環境の整備・充実、初等中等教育から社会人リスキリングまでの教育環境・機会の提供による国内人材の育成・供給機能の強化。 ④国際連携 ・産官学間における多国間対話やMOU等の枠組みを活用した有志国との技術連携や国際共同研究の推進 ・在外公館や日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所(AIST)等の海外事務所、学会等の幅広いネットワークを活用した技術インテリジェンス機能の強化 77