公共分野のAX/DX基盤構築に向けた課題を整理し、成長投資やエコシステム確立を通じた政策パッケージを提示している。
タグ: DX, AX, ガバメントクラウド, サイバーセキュリティ, 公共投資, 人材育成
3. 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ【政策手段】 デジタル・サイバーセキュリティ セキュリティの確保された政府・地方 公共団体のAX/DX基盤 (1)投資促進に向けた課題 ①リソース制約 ・人材:技術が変化・高度化する中で、これに対応できるデジタル・セキュリティ人材の確保やリ・スキリングが必要。 ・ノウハウ:ベンダー、特に地域の中小ベンダーが公共分野に参入するための知見やシステム開発、技術ノウハウが必要。 ②不確実性の要因 ・財務:クラウド移行やシステムのモダン化等には複数年かかる一方で、多額の単年度の補正予算による整備が、官民双方にとって見通し困難で不確実性・非効率性の要因に。 ・技術・市場:クラウドやAIは実際に使われ、フィードバックを回すことで高度化する。一方、信頼性等の観点から実績を重視する市場慣行があり、新規参入が困難な要因に。 (2)講ずるべき政策パッケージ ①公共分野のAX/DX基盤への成長投資・危機管理投資、民の技術力の向上機会の付与 ・基本戦略を踏まえた重点領域を定め、複数年度に渡る計画的な成長投資・危機管理投資を行い、 -我が国の自律性強化の観点から、国産のクラウド、SaaS、生成AI等の初期需要を提供し、事業者の技術力向上の機会を創出する。また、データ、計算基盤、モデル、運用の各層における、自律性・代替性・耐遮断性の確保を図りながら生成AI・AIエージェントの徹底活用に向けた環境を整備する。 -強靭性(サイバー攻撃、災害)を高め、いかなる事態でも行政の継続性を確保する。 1)国内の公的クラウド(ガバメントクラウド等)、ガバメントAI等 -日本企業の提供するクラウド(国産クラウド)、SaaS、生成AI等の公共分野での初期需要創出 -国産クラウドの利用環境の充実(暗号鍵の生成機能の開発・提供) -公共分野でのSaaS開発の促進(効率的なSaaS開発環境サービスの提供) -行政分野でのクラウドの利用の拡大、国内クラウドの整備・国内データセンターの立地促進 -生成AI・AIエージェント:①国内外の優れたモデルを組み合わせて柔軟に利用するハイブリッド設計の推進、②国産AIモデルの積極活用、③グローバルサウス諸国との共創・協力、④AI駆動開発の推進 2)公共分野の業務基盤(ガバメントソリューションサービス、ネットワーク等) GSSユーザー拡大とセキュリティ・耐災害性へのAI導入、災害時などの衛星通信の利用環境の整備、データのバックアップ及び代替システムの整備・拡充) 3)技術変革に対応するための国産を含む新たなセキュリティ技術(例 PQC、高度なAI活用)の導入 4)出入国管理や在留管理を始めとするその他個別行政分野のDX基盤投資 ②地方におけるAX/DX推進エコシステムの確立、人材の育成 ・小規模な地方公共団体も含めて、標準化・ガバメントクラウド移行を基盤に、円滑に地方全体のAX/DXを推進できるエコシステムを官民連携して確立する。 1)セキュリティ・耐災害性の強化、国の制度改定等への迅速な対応の基盤となる基幹20業務システムの標準化・ガバメントクラウド移行完遂と運用最適化のための取組の強化(運用経費の可視化、分析を通じた透明性や競争環境の向上等) 2)ベンダーが公共SaaSを複数の自治体に提供しやすい開発環境の提供、複数自治体での共同調達など広域連携の推進等 3)AI利用活用も見据えたデジタル人材のスキルや学習歴の可視化の基盤構築 27