日本のマンガ産業の現状と課題を分析し、2033年に海外売上1兆円を目指す戦略的目標を提示している。
タグ: マンガ産業, コンテンツ戦略, 海外展開, 海賊版対策, ソフトパワー, 経済成長
1. 現状認識と目指す姿 【目標】 コンテンツ マンガ (1)現状 ① 現状 ・日本のマンガ産業は、コンテンツ分野の海外売上の約5%を占め、ゲーム・アニメ・実写分野に原作を供給する日本発コンテンツ全体の競争力を支えるIPの源泉である。 ・正規版のローカライズが十分に行われない結果、正規版より先行して配信される海賊版や正規版の翻訳が存在しない海賊版が世界的に流布しているため、年間2.6兆円の海賊版被害が発生し、有料で電子マンガを読むという文化が定着していない。 ・そのため、出版社等にとって正規版をローカライズする動機が減退している。 ・他方で、海賊版の流布は海外に読者が存在することの証左であり、正規版流通でさらなる海外売上の拡大を見込める。 ② 取り巻く環境と構造変化 ・コミックというカテゴリーでは、日本独自のマンガというフォーマットの競争力は高いが、スマートフォンの形状に合わせて縦にスクロールして読む韓国発のウェブトゥーンというフォーマットも市場成長を続けている。 ・EUではアクセシビリティ対応義務が強化され、音声読み上げ等への対応が必要である。 ・生成AIの進展により、従来とは異なるマンガの作り方が生まれつつある。 ③ 経済的・戦略的な重要性 ・経済的重要性:マンガを含むコンテンツ産業では、国内投資を倍増させることで、2040年には貿易・サービス収支の黒字の半分に相当する4.8兆円を稼ぎ出す産業に成長する可能性。 ・戦略的重要性:コンテンツ産業は、ソフト・パワー指数で世界4位に位置するなど、国際的な文化発信力の源泉。また、コンテンツを目的とした訪日外国人の増加に寄与。 (2)目標 ① 国内外で獲得を目指す市場 ・2033年にマンガ分野では海外売上1兆円を目指す。 ② 達成すべき戦略的な目標 ・日本のソフト・パワーの強化 ・日本文化に好印象を持つ層の増大 ・訪日外国人のコンテンツ関連消費額の拡大 310