フュージョンエネルギー実現に向け、研究開発から発電実証までの課題を整理し、国主導の技術支援、資金供給、人材育成、国際標準化等の政策パッケージを提示する。
タグ: フュージョンエネルギー, 官民連携, 研究開発, 発電実証, 人材育成, 技術開発
3. 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ 【政策手段】 フュージョンエネルギー フュージョンエネルギー (1)投資促進に向けた課題 <必要な要素技術の確立に向けた研究開発フェーズ(今後5年間程度)> 〇不確実性の要因 ・技術開発の不確実性が最大の課題(プラズマ制御、炉材料、燃料サイクル、信頼性・保守性など、必要な要素技術の多くが未確立) ・多額の研究開発費を要する上に、現時点ではリターンの見通しを得ることは困難 ・トリチウムの扱いなど、民間企業では研究開発が困難な課題も存在 <発電実証フェーズ(2030年代)> ①リソース制約 ・多額の費用、多くの人材が必要 ・用地、燃料物質の確保 ②不確実性の要因 ・技術開発の不確実性 ・多額の費用を要する上に、リターンが予測困難 ・社会受容性・地域の理解 ・安全対策や放射性化合物の処理に関する技術や費用の不確実性 (2)講じるべき政策パッケージ <必要な要素技術の確立に向けた研究開発フェーズ(今後5年間程度)> ・フュージョンエネルギー実現に必要な要素技術の研究開発を国が中心となって強力に推進するとともに、実現可能性があると考えられるフュージョン発電システムの技術開発を広く支援(QSTが中心となって進める実績のある方法で実現を目指す技術開発、スタートアップ等が進める様々な野心的な発電システムの実現に向けた技術開発、共通的に必要な要素技術の開発(※)・基盤整備) ※要素技術の開発については、フュージョンエネルギーの実現に必要だがどの国も解決できていない技術課題を我が国が先行して解決し、技術の不確実性を低減するとともに、優位性を確保。また、SBIR制度を念頭に、フュージョンエネルギーの実現に重要なコンポーネントや材料等の実用化を支援する制度への拡充を検討。 ・数年後を目途に、各取組の技術開発の進捗、民間を含めた組織・体制整備の状況及び海外の動向を踏まえ、勝ち筋として、早期の発電実証に向けて国が支援するフュージョン発電システムを決定し、そのシステムの実現に向けた研究開発を集中的に推進。なお、その他のシステムの技術開発も引き続き支援し、その中からさらに勝ち筋として期待されるものが出てきた場合には、それも発電実証に向けて支援。 ・こうした取組を推進するため、NEDOを念頭に資金供給機能の強化を検討。 ・並行して、科学的に合理的で国際整合性を確保した安全規制を、技術の不確実性も考慮しつつ、開発状況に応じて段階的に検討・整備し、随時更新。確実な安全確保とスピーディーな開発を両立。 ・あわせて、研究開発プロジェクトやITER計画への戦略的参画を通じ、その後の発電実証や商用化を担う人材を長期的な視点から育成(関係企業・国研・大学等における女性活躍の推進を含む人材育成や大学等における社会人のための教育プログラムの開発を通じリ・スキリングを支援するとともに、ITERへの邦人増加等を支援)。 ・さらに、将来の市場獲得をにらみ国際標準化等を主導する。 <発電実証フェーズ(2030年代)> ・早期の発電実証に向けて国が支援するフュージョン発電システムについて、官民連携で発電実証プロジェクトを推進。具体的には、官民の連携により人材・資金を集中的に投入することにより、競争力のあるフュージョン発電システムの発電実証を2030年代に実現。 ・その際、地域企業を巻き込んで地域の経済発展にも寄与するよう、国は自治体とも連携して、人材育成等を含めて支援。 ・並行して、商用化に向けた技術開発を推進し、発電実証の成果を競争力のある発電システムの実現に速やかにつなげる(信頼性・保守性等の向上に向けた技術開発など)。 257