日本の高機能素材産業の現状と課題を分析し、AI活用による開発加速とエコシステム構築を通じた国際競争力の維持・強化を目指す。
タグ: 高機能素材, AI活用, 経済安全保障, 素材産業, 研究開発, エコシステム
1. 現状認識と目指す姿【目標】 マテリアル(重要鉱物・部素材) AI等を活用した複合新素材 (1)現状 ① 現状 ・複合素材をはじめ、炭素繊維や半導体材料などの高機能素材については、日本が高い競争力を有している。競争力の源泉は、民間事業者・アカデミアによる技術・データ・ノウハウの長年の蓄積や、原料となる基礎部素材の安定供給が確保されている点などが挙げられる。 ・一方、アジア勢は、高機能素材市場の汎用領域でシェアを拡大するとともに、新素材開発を加速し、ハイエンド領域でも競争力を高めている。 ② 取り巻く環境と構造変化 ・昨今の環境規制や経済安全保障上の課題等を背景に、市場や社会要請の変化が加速度的に進む中で、研究開発に求められるスピードが高まっており、技術の優位性が短期間で失われるおそれがある。 ・素材開発におけるAI技術の活用は、ビッグテック、スタートアップなども参入し飛躍的に進展するとともに、開発速度を更に加速すべく、自動自律実験(スマートラボ)も導入され始めている。 ・その上で、更なる新素材の開発に向けて、競合企業やオフテイカーとの間で情報共有をし、協調的な素材開発を可能とする秘匿計算技術を用いた機密保護型データ連携に対する期待が高まっている。 ③ 経済的・戦略的な重要性 ・素材産業は、半導体等の電子部品や自動車を始め幅広い製造業を支えており、産業規模では我が国製造業の約2割を占める。高機能素材やその原料となる基礎部素材も含め、素材産業は我が国の基盤産業であり、安定供給を確保することが重要。 ・また、高分子ポリマーやファインセラミックス等の高機能素材は高い国際競争力を有しており、これらの部素材を複合化するプロセスの高度な製造技術に加え、アカデミアを含めた過去の研究データの蓄積や研究開発能力、精密な分析・計測技術や装置基盤、熟練技術者が蓄積してきたノウハウなど、世界に先行した強みにより、我が国の不可欠性を発揮できる領域。 ・高機能素材分野での競争力を強化し、我が国素材産業の不可欠性を維持・強化すべく、我が国素材産業が蓄積してきたデータやノウハウと最先端AI技術等を掛け合わせ、新素材開発速度を加速させるエコシステムを構築することが重要。 (2)目標 ① 国内外で獲得を目指す市場 ・高機能ポリマー、高機能フィルム・繊維、高純度微粒子、高機能セラミックスなどの高機能素材、さらに、これらを複合化した新素材による市場獲得を進め、成長する高機能素材市場において、我が国素材産業のシェアを引き続き確保・拡大する。 ② 達成すべき戦略的な目標 ・新素材開発速度を従来比10倍に加速させるエコシステムを構築する。産学官の知のバリューチェーン形成や基礎部素材の安定供給確保を含め、我が国素材産業の競争力を強化し、不可欠性を維持する。 180