重要鉱物・部素材の安定供給に向け、上流開発・リサイクル・需要サイド・国際連携の4つの観点から課題を整理し、官民投資を促進するための具体的な政策パッケージを提示している。
タグ: 重要鉱物, 資源循環, サプライチェーン, 投資促進, JOGMEC, 国際連携
3. 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ【政策手段】 マテリアル(重要鉱物・部素材) 一次原料(鉱石等)及び二次原料(リサイクル材等の 循環資源)からの、製錬・分離精製、解体選別技術 (1)投資促進に向けた課題 ①上流開発の加速化 ・カントリーリスクや価格ボラティリティーが高いという事業リスクがあり、プレイヤーも非常に限られる環境であり、民間企業による案件組成が課題。 ②リサイクルの加速化 ・質・量の確保とコスト低減が課題。 ・また、海外事業への参画については、(1)原料の安定確保の難しさ、(2)技術的ハードルの高さ、(3)経済性の不確実性の大きさ等の事業リスクが課題。 ③需要サイドの調達源多角化 ・代替供給源からの物資は従来品に比して価格が高く、各企業において材料切替のコストも発生。 ・価格のみを調達基準とすると、中下流企業の調達先多角化は進まない。 ④国際連携による取組 ・代替供給源の確保や国内の製錬ネットワーク維持等のため、国際連携による取組が課題。 (2)講じるべき政策パッケージ ①上流開発の加速化 ・鉱山開発・製錬事業等による供給源の多角化を実現するため、安定供給確保支援基金、JOGMEC出資金による支援によりプロジェクトの組成を図るとともに、供給途絶を回避するための国家備蓄の強化にG7等とも連携して取り組む。 ・国による主体的な取組を含む上流開発の促進に向け、既存の出資金制度の枠組みの見直しを進めることで、民間企業が投資判断が難しいプロジェクトの組成を図る。 ②リサイクルの加速化 ・国内での循環資源の回収拡大や不適正な国外流出抑制等により、金属スクラップ等の国内資源循環を促進するとともに、経済的支援スキームの構築(制度的措置を含む)等により再資源化拠点等の構築・ネットワーク形成を進め、基幹産業に再生材を質・量・コストの面で安定的に供給するサプライチェーンの強靭化を図る。 ・再生材の利用拡大に向けて、製造事業者等による自主的な利用目標の設定や取組を促進していくとともに、品質・由来等のトレーサビリティ確保を推進する。 ・既存の出資金制度の枠組みの見直しを進めることで、海外におけるリサイクル事業への民間企業の投資判断を促し、プロジェクトの組成を図る。 ③需要サイドの調達源多角化 ・従来品からの価格上昇に対し、中下流企業のコミットメントが代替供給源プロジェクトへの民間企業の投資決定には必要となるが、そのためには企業自身の意識付けのための企業ガバナンス構築が重要であり、経営層のコミットメントや自社サプライチェーン強靭化などに向けた取組の促進を図る。 -サプライチェーンを意識した企業ガバナンスを強化するため、経営層向けのガイドライン等においてサプライチェーンのリスク分析やその強靭化の重要性を位置づける。また、企業がサプライチェーン上のリスクを的確に把握し、調達源の多角化に向けて行動変容できるよう、必要な情報提供を行い、企業間の対話を促進する。 -その上で、企業のみで対応が困難な場合は、具体的なボトルネックを特定して、代替供給源の多角化に向けて必要となるサプライチェーン立上げ・切替等に係る支援策を講じる。 ④国際連携による取組 ・G7や資源国等の同志国と連携し、貿易政策・メカニズムについて関係国と共に協議を行うなど、供給源を多角化するための枠組みを検討し、新たな供給源立ち上げを促す。 ・日本の精錬技術等の優位性やASEAN等での資源回収の促進に寄与する我が国の強みを生かし、資源循環産業への投資を推進し、日本をハブとする国際的な資源循環ネットワークの構築を目指す。 177