我が国造船業の現状課題を分析し、次世代船舶技術による国際競争力の強化と安全保障を支える産業基盤の確立を目指す。
タグ: 造船業, 次世代船舶, ゼロエミッション船, 安全保障, 国際競争力, 地域経済
1. 現状認識と目指す姿 【目標】 造船 次世代船舶 (1)現状 ① 現状 ・近年、我が国造船業の建造量は減少傾向が継続(2019年1,600万総トン→2024年900万総トン)。足下では、我が国船主の1年間の造船需要を下回り、海外の造船所に頼らざるを得ない状況。 ・我が国造船業は、韓国・中国と比較して、船舶建造の生産性が高く、ゼロエミッション船、自動運航船等の次世代船舶(以下単に「次世代船舶」という。)や省エネに係る技術など品質・性質面での優位性が認められる一方、以下のような課題がある。 (1)人数・敷地面積・生産量ともに事業所の規模が小さい (2)鋼材・資材の高騰を背景に船価が高く、中国・韓国造船業との厳しい競争の中で建造能力を縮小 (3)設計や現場において人材不足が深刻化(造船業就労者;2019年約9万人→2024年約7万人) ② 取り巻く環境と構造変化 ・我が国造船業の建造量の減少傾向が引き続き継続した場合、海上貿易に不可欠な船舶の建造を極度に他国へ依存せざるを得なくなるおそれ。 ・今後、中長期的に、海上輸送量の増加による建造需要が拡大。 ・その中で、ゼロエミッション船等の建造需要は増大し、2035年には建造需要の6割程度に達すると見込まれており、造船市場におけるゲームチェンジの機会になる。 ③ 経済的・戦略的な重要性 ・四面を海に囲まれエネルギーや食料等の物資を海外に頼る我が国にとって海上輸送は必要不可欠。造船業は海上輸送に使用する船舶を安定的に供給し、国民生活や経済活動を支える極めて重要な役割を担っている。 ・商船を建造する造船業は、我が国の海上警備や防衛を担う船舶を建造しており、安全保障の観点からも必要な産業。 ・国内生産比率が約8割、地域生産比率9割以上であることに加え、ほぼ全ての部品を国内調達しており、地域の経済・雇用を支えている。 (2)目標 ① 国内外で獲得を目指す市場 ・アンモニア燃料船を始めとしたゼロエミッション船等の次世代船舶建造技術で世界を主導する。 ・次世代船舶に係る技術をてこに、我が国において1,800万総トン(市場規模約5兆円)を建造する(2035年)。 ・国際社会における我が国造船業の役割を確立する。 ② 達成すべき戦略的な目標 ・中国・韓国の造船業に負けない国際競争力を確保。 ・我が国の安全保障を支える体制(日本の船は日本で造る)を実現。 ・国際社会の中で不可欠な役割を担い、世界を牽引する確たる地位を確保。 ・日本の海事産業群の中核となり地域の経済・雇用を支える。 140