海洋無人機産業の育成に向け、リソース制約や不確実性といった課題を整理し、国内投資支援、需要創出、国際連携、人材育成からなる政策パッケージを提示している。
タグ: 海洋無人機, 官民投資, 社会実装, 技術開発, 人材育成, 国際連携
3. 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ【政策手段】 海洋 海洋無人機(海洋ドローン) (1)投資促進に向けた課題 ①リソース制約 ・石油・ガス開発、安全保障利用を背景に先行している欧米企業に比して、活動の規模が極めて限定的 ・勃興期にある中、ヒト・モノ・カネをはじめとする全方位の資源制約(開発・運用等の専門人材、欧米の関連企業群との厚みの相違等) ・先行的取組を実施する実証環境・海域確保の難しさ ②不確実性の要因 ・政府調達の規模・時期など、大規模需要の見通しの乏しさ ・新たな事業形態であるため、水産業、海運、港湾等の既存の海洋関連産業における導入効果等の認知の低さ ・導入段階での期待と効果へのギャップに起因する初期ハードルの高さ ・市場規模、拡大のスピード等の不透明性 ・新規産業であることに起因する保険負担の高止まり ・収益性等の事業モデルの成立性の見通しの乏しさ ・規制上の扱い等の制度面での見通しの乏しさ (2)講じるべき政策パッケージ ①国内投資支援 ・官民協調による、ビジョン、利用用途・利用規模等の見える化を図る。 ・官が主導して工程の共有を図り、関連動向等に応じて適時に更新する。 ・民間投資を促す、戦略的なプロトタイプ投資を実現する。 ・取得データ、情報の高付加価値化等を狙った、戦略的な技術開発に対する支援を充実させる。 ・デュアルユース技術としての戦略的な方針の下、サプライチェーンの強靭化を図りつつ、国力を増強する。 ・複数の機体・機種の「群」としての利用を促進する実証環境を構築する。 ・先端的な施設・設備等を有する国立研究機関の機能強化等を通じた産官学の取組を強化する。 ②需要創出・市場確保・社会実装支援 ・社会実装に向けた実証的取組の実施、実証フィールドの確保を進める。 ・SBIR等を活用したスタートアップ支援を充実させる。 ・国際市場開拓に対する支援を強化する。 ・公共調達との連動、府省横断的な取組を進める。特に、複数年度の視点を以て公共調達による初期需要確保(アンカーテナンシー)を通じた市場形成・拡大に向けた取組を推進する制度の創設に取り組む。その際、DXや経済成長を生み出す共通基盤であるG空間情報の利用・環境整備における取組や宇宙といった分野との連携を図る。 ・規制上の運用の明確化、複数回手続の一括申請など環境整備を進める。 ・不確実性の低減に向けた、導入効果等の向上のための積極的な情報発信、成果の普及を進める。 ・極域などの極限環境や特殊条件下で作動するものの開発や他分野への展開を図る。 ・社会実装に向けた利活用促進のための普及・啓発等を行う。 ③国際連携 ・我が国が強みを有する技術基盤を生かした、関係国との協調によるバリューチェーンの形成 ・同志国・グローバルサウス等への市場展開を視野に入れた、運用サービスや取得海洋データの利活用の方法(ソフト)も含めたパッケージ全体としての展開等による協力関係の構築 ・オープン・クローズ戦略(他者と共有可能な技術とそれができず、開発した社で独占的に運用する必要のある技術とを使い分けることで、市場獲得等を目指す戦略)の下での標準化の推進 ④人材 ・海洋科学技術に携わる人材の質と層の向上が重要であることから、初等〜高等各段階で教育を実施し、裾野を広げ、意義を発信。 ・国立研究開発法人の機能強化等を通じて、海洋科学技術に関する人材の育成と確保を推進し、海洋の研究・開発・利用を牽引。また産官学が参画・連携し、海洋における現場体験など単独では実施困難なプログラムを実施。 ・国際的に遜色のない水準の達成を目指して女性活躍を推進するとともに、産業界での十分な処遇やキャリアパス、通信環境整備等の魅力ある労働条件及び労働環境の整備を促す。 127