無人航空機産業の成長に向け、リソース不足や不確実性といった課題を整理し、国内投資支援や需要創出、国際連携等の政策パッケージを提示している。
タグ: 無人航空機, 投資促進, 国内生産基盤, 研究開発支援, 社会実装, 国際連携
3. 官民投資促進に向けた課題と政策パッケージ 【政策手段】 航空・宇宙 無人航空機 (1)投資促進に向けた課題 1.リソース制約 ・人材:認証取得、試験・実証の知見を有する人材が不足 2.不確実性の要因 ・技術・事業:目視外飛行に関する技術・ビジネスモデルの経済合理性に関する不確実性 ・市場:国産機体の市場形成の不確実性、海外機体との競争 ・財務:制度整備と合致したスタートアップ中心での機体開発に伴う資金調達の困難性、キャッシュフローの不安定性 ・国際環境:重要部品の供給停滞 ・国際的な政策:目視外飛行に関する国際的な統一基準がなく、諸外国でも制度整備が進行中であり、国内外で対応が異なることによる事業者のコスト増大、認証に使用する国際規格が海外主導。また、無人航空機の技術や調達の大部分を輸入に頼り、外部からの影響を受けやすい。 ・社会:無人航空機の飛行に対する地域受容性 (2)講じるべき政策パッケージ 1.国内投資支援 ・安定供給確保のための、機体・重要部品の量産体制構築に向けた設備投資支援。 ・目視外飛行事業化の鍵となる多数機同時運航の実現に向けた、自動化・自律化に向けたソフトウェア、機体・重要部品、運航管理システムなどの技術開発、地域と連携した実証、技術進歩等に対応した制度整備の推進。 ・特にAI・ソフトウェアを中心に中長期的に競争力の源泉となるスタートアップ等への研究開発への支援(自律・群制御技術、メッシュネットワーク構築技術(※)、指揮統制ソフトウェア、シミュレーション等を用いた設計など) ※複数のネットワーク機器が相互に接続され、網目状の構造を形成することで、障害が発生しても他の経路を通じて通信を維持できる技術。 ・防衛省が、国内生産基盤の構築に配慮し、事業者に対して国産部品の活用を促進しつつ、小型無人航空機を大量に取得することにより、企業の予見可能性を一定程度確保し、新規参入や研究開発、生産設備の導入等の投資を促進。 2.需要創出・市場確保・社会実装支援 ・調達時に参照できるサイバーセキュリティガイドラインの整備・普及。 ・主要国の規制や制度の情報収集と横展開。各国のサイバーセキュリティ水準等への適合に向けた改良支援。 ・目視外飛行の事業化促進を測るべく、i)自動・自律機能の活用も含めた多数機同時運航の機数拡大、ii)運航管理システムによる多様な機体の運航支援、iii)VTOL(垂直離着陸)無人航空機の社会実装の促進、iv)円滑な電波利用の推進、等のための制度整備を検討又は実施(iii及びivは27年3月までに省令改正等の結論を得次第速やかに措置)。 ・有人機と無人機の認証経験のシナジーを見据えた認証に係る官民のノウハウの共有・蓄積のための取組や、機体設計/運航管理/ソフトウェア開発などの実務人材の育成を支援。 ・無人航空機の認証取得を促進するため、認証に使用する規格の国際標準化を推進。 ・安全かつ効率的な目視外飛行を促進するため、ドローン航路に係る取組を推進。 ・新たな企業の航空産業への参入や国内企業の国際競争力強化促進のため、実機環境を模擬できる低速風洞等をJAXAに整備。また、試験技術を維持向上し企業に提供するための専門人材をJAXAに継続的に確保 ・実験機プロジェクトをJAXA等を中心に展開し、人材作成、試験・認証能力開発を支援。 3.立地競争力強化 ・開発製造を支える環境(DX・AI、試験・実証インフラ、飛行実証環境等)のJAXA等による戦略的な整備を支援。 ・福島ロボットテストフィールドを中心とした飛行実証環境の充実。 4.国際連携 ・PIPIR、OSAなどの枠組みにおける同盟国・同志国との機体供給やサプライチェーン協力に向けた議論の推進。 102