富士フイルムの知的財産戦略を題材に、経営戦略と無形資産を一体化した開示・対話の重要性と先駆的な取り組み事例を示す。
タグ: 知的財産戦略, 無形資産, ESG経営, 対話, 企業価値
主要ボトルネック5 解消事例② 富士フイルムホールディングス株式会社 ESG説明会 富士フイルムグループの知的財産戦略 2026年4月15日 富士フイルムホールディングス株式会社 1-6 研究開発・事業のライフサイクルに応じた知財戦略 中期経営計画「VISION2030」達成に向け、事業ポートフォリオマネジメントと連動し、各事業のフェーズと競争状況に応じた知財戦略を展開 [図解:新規/次世代事業(技術先読み、知財インテリジェンス活用等)、成長事業(差別化に資する知財ポートフォリオ構築、他社特許リスク低減)、価値再構築事業(出願件数・保有件数の厳選、知財のマネタイズ)、基盤事業(出願件数・保有件数の厳選、顧客訴求価値の保護)、全社研究開発(技術の黎明期での出願活動強化、技術・事業化の見極めに対応した新陳代謝)] FUJIFILM Holdings Corporation 14 社外取締役による評価 1 経営戦略と無形資産を一体的に捉える経営視点 -財務と無形資産を分断せず、経営の根幹として一体的に捉え、戦略的に活用するアプローチは、企業価値向上に直結 2 無形資産を有機的に掛け合わせ、成長戦略の中核とする実行力 -知財・人材・デザイン・ブランド・AI/DXなどの無形資産を相互に関連し合う経営資源として有機的に掛け合わせ、競争優位や持続的成長につながる一貫した価値創造プロセスを構築 3 日本企業の無形資産開示の方向性を示す先駆者的存在 -コーポレートガバナンス改革や投資家との対話の高度化が進む中、無形資産と企業価値を結びつけて説明する日本企業の先行事例として期待 関連するガイダンスの記載: 社外取締役や投資家等による外部視点での見立てを用いながら、経営戦略と知財・無形資産を一体的に捉える視点から、知財・無形資産の潜在価値をわかりやすく投資家に説明する体制を整備する 投資家との対話内容の開示 司会:三井住友トラスト・アセットマネジメントの澤嶋様、よろしくお願いいたします。 澤嶋[Q]:三井住友トラスト・アセットのサワシマです。二つ質問させて頂きます。一つは、この特許情報、知財情報を投資家が分析する際に、その特許なり知財が、将来的にどれだけ差別化につながるのか。つまり収益性の向上につながるのか、もしくは売上高の拡大のスピードを高めるのか。そういったところに、どうつながっていくのかを知りたいということだと思う。例えば説明でお示しいただきました13ページの、売上高と保有特許の件数の、24年間の比率変化。ご説明としてはエレクトロニクス・ヘルスケアが増えて、イメイジングが下がっていますよ、これは特許も売上も同じですよとは分かるのですが、例えば収益性という観点で見たときに、特許保有の、これは件数ではなくて、本来であれば価値だと思うのですが、そういった特許の価値と収益性が、どうリンクしているのかを示していただくほうが、より訴求力が高まると思います。それから20ページのinstaxでも、佐久間様からデジタルシフトの先取りをした結果、そこがうまく言っているお話もありました。ここで示していただいている特許、意匠、商標の変化と、それから後ろ側にある売上高の変動みたいなものを見たときにも、知財が先行しているのかどうかは、これでは見えにくい。ただ、ストーリーとして語っていただいているので、当然のことながら技術が先行して、それで後から売上高がついてきていると思うんですけれども、そういったものを見せ方... 出典:富士フイルムホールディングス株式会社「ESG説明会 富士フイルムグループの知的財産戦略(2026年4月15日)」を加工 19