人口減少や少子高齢化等の社会課題に対し、デジタル技術の活用と行財政改革を通じて社会変革を目指す。
タグ: デジタル田園都市国家構想, 地方創生, 人口減少, 少子高齢化, Society5.0, デジタル行財政改革
第1章 デジタル田園都市国家構想の実現のために ~「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指して~ (社会情勢の変化と地方創生の加速化・深化) 我が国では、世界に類を見ない急速なペースで人口減少・少子高齢化が進行しており、生産年齢人口の減少が、我が国の経済成長の制約になることが懸念されている。国立社会保障・人口問題研究所が2023年4月に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(出生中位(死亡中位))では、2070年には総人口が8,700万人に減少するなど、人口減少が将来にわたって続くと推計されている。出生の動向を見ても、2022年の出生数は77万759人で、統計開始以来、最少の数字となり、合計特殊出生率は1.26と過去最低となっている1。 また、人口が減少する中で、東京圏と地方との転出入均衡達成目標はいまだ達成できておらず、地方の過疎化や地域産業の衰退、更には首都直下地震等の大規模災害への対応等が大きな課題となっている。特に我が国経済全体の生産性の足かせとなっている、地方に多いサービス業の生産性の低迷は、地方創生はもとより、我が国経済全体の生産性及び賃金水準の低迷を引き起こしている深刻な課題である。 さらに、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)が拡大したことに伴い、観光業などの地方経済を支える産業への打撃や、地域コミュニティの弱体化等、地方の経済・社会は大きな影響を受けた。 他方、感染症の影響により、デジタル・オンラインの活用が進み、時間と場所にとらわれない働き方が可能になるとともに、テレワークやワーケーションが普及したことで、多地域居住・多地域就労が現実のものになり、経済社会の分極化の重要性を再認識させることとなった。 また、ICTの進化やネットワーク化により、経済や社会の在り方、産業構造が急速に変化する大変革期、新しい時代(Society5.02)が到来する中、ICTを最大限に活用し、第4次産業革命というべき変化を先導していく取組等が進められている。地方でも、官民の様々な主体により、デジタル技術の活用が多方面で進み、他地域の見本となる優れた取組が生じる等、Society5.0の実現に向けた取組が進められており、デジタル技術はその実証の段階から実装の段階へと着実に移行している。 くわえて、急激な人口減少社会に対応するため、新たにデジタル行財政改革として、利用者起点で我が国の行財政の在り方を見直し、デジタルを最大限に活用して公共サービス等の維持・強化と地域経済の活性化を図り、社会変革を実現することが必要である。このため、人口減少・高齢化・過疎化・人手不足への対応、経済成長・スタートアップ支援、行財政の効率化・不便の解消の観点から、教育、交通、介護等、子育 1 厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計(確定数)」(令和5年9月15日公表) 2 「科学技術・イノベーション基本計画」(令和3年3月26日閣議決定)において決定された我が国が目指す社会。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、新たな社会。 1