輸入物価上昇がGDPデフレーターに与える影響と、国内価格への転嫁における時間的ラグの重要性について解説している。
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第1章 景気回復の現状と課題 ●輸入物価が上昇すると一時的にGDPデフレーターは低下 物価動向を判断するには、消費者物価だけでなく、幅広い指標をみる必要がある。そこで、まずは、消費だけでなく投資や輸出などの企業活動も含めた国内の付加価値の価格動向を表すGDPデフレーターの動向をみてみよう。 GDPデフレーターは、国内で生み出された付加価値の価格であり、原油などの輸入は差し引いて計算されるため、輸入物価が上昇した時に国内の価格に転嫁されなければGDPデフレーターは低下する。実際の動きをみると、2014年以降前年比プラスで推移したが、2016年後半以降は原油価格の上昇等による輸入物価の上昇もあり一時的にマイナスとなり、その後、国内需要デフレーターのプラス幅の拡大とともに、2017年第7-9月期にはわずかながら前年比プラスに転じた(第1-2-20図(1))。 このように、GDPデフレーターは、輸入物価の動きの影響を受けるが、輸入物価が上昇しても、同じ期に同じ分だけ国内の価格が上昇すればGDPデフレーターには影響を及ぼさない。つまり、実際には、輸入物価が上昇した際にGDPデフレーターが低下するのは、国内の価格への転嫁に時間がかかっているためということになる。輸入デフレーターの変動が国内需要デフレーターにどの程度の期間で転嫁されるのかをみると、輸入デフレーターの上昇から3四半期程度のラグを伴って国内需要デフレーターを押し上げることがわかる。また、輸入デフレーターが変化する際の3四半期後の国内需要デフレーターの弾性値は0.06程度となっている(第1-2-20図(2))。 これらを踏まえると、GDPデフレーターで物価の動向をみる際は、価格転嫁までのラグを考慮し、一定の期間で均してみるとともに、国内需要デフレーターも併せてみることが適切といえよう。 66