世界的なLNG争奪戦は、欧州のLNG輸入増による需給ひっ迫・価格高騰がアジアにも波及し、短期間では解決しない見通し。
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エネルギーセキュリティを巡る課題と対応 世界的な「LNG争奪戦」とその影響 ① 欧州のLNG輸入増加の影響で、LNGの需給ひっ迫・価格高騰が発生。アジアでは輸入を減らした国も。 ② 従来、中国経済に連動していたアジアLNG価格が欧州ガス価格と連動。一部のアジアの国では計画停電を実施。 ③ 経済制裁の長期化に伴い、さらに高まるLNG需要に対し、LNG生産能力はすぐに追いつけない見通し。 LNG需給は2025年頃にかけてさらにひっ迫、世界的な「LNG争奪戦」は短期間では終わらない様相に。 ① 世界のLNG輸出入の状況 万トン 44,000 42,000 40,000 38,000 37,426 36,000 34,000 32,000 30,000 21年世界 LNG輸入 欧州 LNG輸入 37,426 4,007 -2,068 欧州(EU+英国)のLNG輸入状況 万トン 1,000 800 600 400 200 0 18年1月 19年1月 20年1月 21年1月 22年1月 23年1月 米国 カタール アルジェリア その他 2021-22年の世界のLNGの需給バランス 増加 減少 中/印/パ 輸入減 +98 39,463 +839 その他の 輸入増 22年世界 LNG輸出入 米国 輸出増 ロシア 輸出増 +264 +934 37,426 その他の 輸出増 21年世界 LNG輸出 米国LNGの輸出状況 万トン 800 700 600 500 400 300 200 100 0 18年1月 19年1月 20年1月 21年1月 22年1月 23年1月 【輸出先】 米国 欧州 その他 アジア 出典: Kplerからエネルギー・経済社会研究所作成 ② アジアにおけるLNG需給ひっ迫・価格高騰の影響 米ドル/ mmbtu 100 80 60 40 20 0 20年4月 JKM JKMが中国のLNG需要に連動 JKMが欧州ガス価格(TTF)に連動 中国のLNG需要(右軸) TTF 20年10月 21年4月 21年10月 22年4月 22年10月 出典: Kplerからエネルギー・経済社会研究所作成 <価格高騰の影響> パキスタン等の一部アジア諸国では、外貨準備高が不足したため、 LNGの購入を見送り、計画停電を実施した事例等も発生 ③ 世界のLNG供給余力 ※ピーク月(1月)ベース 百万トン/月 (MT/m) 10 供給余力(ロシアパイプラインガス例年通り供給) 供給余力(ロシアパイプラインガスゼロケース) 5 0 -5 -10 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030 2031 2032 需要と供給の 均衡点 (イメージ) 欧州のLNG輸入拡大により 供給余力の不足が深刻化 出典: 各種資料からJOGMEC作成 米国からのLNG輸入量が増加 アジア向けの米国産LNGが減少 5