日本の防衛目標達成のため、防衛力強化、日米同盟、多国間連携を推進。
第Ⅲ部 防衛目標を実現するための 3つのアプローチ 令和5年版 日本の防衛 ダイジェスト わが国自身の防衛体制 わが国の防衛力の抜本的強化と国全体の防衛体制の強化 防衛目標を実現するための3つのアプローチ ①わが国自身の防衛力の強化 次期戦闘機(イメージ) ②日米同盟の抑止力と対処力の強化 海自護衛艦「いずも」への 米海兵隊F-35Bの寄港(2021年10月3日) ③多国間などとの連携の強化 日米英蘭加新共同訓練(2021年10月) わが国の防衛力の根幹である防衛力は、わが国の安全保障を確 保するため、最も最終的な担い手であり、わが国に脅威が及ぶことを 抑止するとともに、脅威が及ぶ場合には、これを阻止・排除し、 わが国を守り抜くという意思と能力を表すものである。 脅威を能力と意思の組み合わせで顕在化するところ、意思を 外部から正確に把握することは困難であり、国家の意思決定過 程が不透明であれば、脅威が顕在化する素地が常に存在する。こ のような国から自国を守るためには、力による一方的な現状変 更は困難であると認識させる抑止力が必要であり、相手の能力 に着目した防衛力を構築する必要がある。今後の防衛力につ いては、新しい戦い方にも対応できるよう、防衛力を抜本的に強化 することで、相手にわが国を侵略する意思を持たせないように することが必要である。 また、外交力、情報力、経済力、技術力を含めた国力を総合し て、あらゆる政策手段を体系的に組み合わせて国全体の防衛体 制を構築していく。 力による一方的な現状変更を許容しない安全保障環境の創出 力による一方的な現状変更やその試みへの対応— わが国の平和と安全にかかわる力による一方的な現状変更やその試みについて は、国として、同盟国・同志国などと協力・連携して抑止していく必要がある。相手 に影響を与えるためには、柔軟に選択される抑止措置(FDO)としての訓練・演習な どや、戦略的コミュニケーション(SC)を、政府一体となって、また同盟国・同志国な どと共に充実・強化していく必要がある。防衛省・自衛隊は、平素から常続的な情報収集・警 戒監視・偵察(ISR)及び分析を関係省庁と連携して実施し、事態の兆候を早期に把握する とともに、戦闘機などによる緊急発進(スクランブル)を実施している。 ミサイル攻撃を含むわが国に対する侵攻への対応— 島嶼部を含むわが国に対する侵攻に対しては、遠距離から侵攻戦力を阻止・排除する とともに、領域を横断して優越を獲得し、陸海空の領域及び宇宙・サイバー・電磁波 域における能力を有機的に融合した領域横断作戦を実施し、非対称な優越を確保し、侵攻 戦力を阻止、排除する。そして、粘り強く活動し続けて、相手の侵攻意図を断念させる。 また、ミサイル攻撃を含むわが国に対する侵攻に対しては、ミサイル防衛により、わ が国の領域の上空でミサイルを迎撃し、攻撃を防ぐためにやむを得ない必要最小限 度の自衛の措置として、相手の領域において有効な反撃を加える能力としてスタンド・ オフ防衛能力などを活用し、ミサイル防衛とあいまってミサイル攻撃を抑止する。 国民の生命・身体・財産の 保護に向けた取組— わが国への侵攻のみならず、大規模災害及び感染症危機などは、深 刻な脅威であり、国の総力を挙げて全力で対応する必要がある。防衛 省・自衛隊は、大規模災害などに際し、関係機関と緊密に連携し て、効果的に人命救助、応急復旧、生活支援などを行う。 継続性・強靭性強化の取組 将来にわたりわが国を守り抜く上で、弾薬、燃料、装備品の可動数 といった現在の自衛隊の継戦能力は、必ずしも十分ではない。こう した現実を直視し、有事において自衛隊が粘り強く活動でき、また、 実効的な抑止力となるよう、十分な継戦能力の確保・維持を図る必 要がある。そのため、必要十分な弾薬を早急に保有し、火薬庫及び燃 料タンクを整備するとともに、装備品の可動状況を向上させる。ま た、主要司令部の地下化や構造強化を進め、施設の再配置なども進 める。 平和安全法制施行後の自衛隊の活動状況など 2016年の平和安全法制施行後、この法制にかかる各種準備・訓練 を認定を行ったという前提の実動訓練に初めて参加したほか、自衛隊法第95条の2に基づく米軍等の部隊等の武器等の警護と して、初めて日米豪3か国が連携した形で米軍等に対する警護を実施した。 国民保護訓練に参加する隊員 火薬庫の確保 人命救助にあたる隊員 日本の防衛 20