大学生は自殺リスクが高まる時期であり、支援体制の整備と早期介入が重要です。
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コラム 大学生の自殺予防について 福岡大学医学部精神医学教室講師 衞藤暢明 大学生は、メンタルヘルスの問題が顕在化して急増し、自殺のリスクも高まりやすい時期である一方で、本人の意思決定に よって医療機関へ受診しやすく、「成人」として対応可能な精神科医療の幅が広がる。本人が支援を求めやすくなり、かつ 周囲が支援につなげやすい体制を整えることが重要。 大学生入学前からメンタルヘルスに関する教育を推進した上で、大学入学後には支援の体制について心理相談室などを通した 医療機関との連携が行われる必要がある。 大学生特有の状況 大学生に対する実際の支援のアプローチ 調査によると、重症自殺未遂者の背景要因として、10歳代は「家族・家庭」と「学 校」に関連した要因が多いが、20歳代は学業上の問題のほか家庭での問題、恋愛 (夫婦) の問題、アルコール・薬物の問題が生じる。 社会の中での役割が大きく変わり、成人として社会と様々な関わりを持つようになり、 親元を離れることも多くなることから、背景の要因もより多様になると考えられる。 特に大学生の場合、精神疾患が生じた場合に学業上の困難に結び付きやすく、学業の 支援と合わせて相談することが求められる。 経済的問題 (生活苦、就職) 社会的身分の変容 大学生特有の孤立 (ひきこもり) アルコール・ セクハラ 薬物の乱用 ブラック企業 失恋 宗教の勧誘 大学生入学後に精神疾患を発症し、飛び降り。 救急医療機関入院中から精神科医 師が大学職員・家族と相談し、治療し つつ修学に関わる支援。 大学生入学後にバイト・サークルの人間関係 に難儀して孤独感を抱く。抑うつ状態にな り単位も取れず、服毒。 救急医療機関から精神科に相談 があり、精神科への受診継続と復学 のための支援。 幼少期より吃 (きつ) 音と自閉スペクトラ ム症に対する支援を受け、高校から希死念 慮があり、大学の心理相談室で相談。 心理面接で、就職活動に難航し希死 念慮が強まり、市販薬を過量服薬してい ることをカウンセラーに話し、精神科を 受診。 18