令和7年版科学技術・イノベーション白書概要 (令和6年度年次報告) 科学技術・イノベーション創出の振興に関する年次報告) 本白書は、科学技術・イノベーション基本法に基づき、政府が科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策を報告するものである。 構成は例年通り、年度ごとの話題特集する第1部、年次報告である。 【特集】白書とともに振り返る科学技術・イノベーション政策の歩み~科学技術基本法30年とこれからの科学技術・イノベーション~ 科学技術基本法は「基礎研究ただ乗り論」などを背景とした基礎研究の重視や、日本経済発展のため先進追従型 の科学技術から脱却し、世界のフロントランナーの一員として自 らの未来の分野に挑戦し未来を拓くことが必要との認識から、超党派の議員立法として1995年に制定。現在の科学技術・イノベーション政策に繋がる普遍的な課題認識とそ の解決に向けた方向性が示されている。 本年の特集は、戦後80年、基本法制定から30年の節目として、第1章では戦後から、第2章では基本法制定から現在まで、経済・社会と科学技術がどのような時代を越えてきたのか を過去の白書を踏まえ振り返り、第3章では今後の科学技術・イノベーション政策を展望。このほか付録として、これまでの白書のテキストマイニング結果を試行的に紹介。 第1章 戦後から科学技術基本法制定前まで 1945~1955年 戦後の生活再建や経済復興に向けた科学技術が重視された時代 GHQによる戦時体制解体と新たな科学技術体制の整備 生活再建や経済復興のための科学技術、低下した科学技術再興に向けた技術導入や人的交流 1956~1970年 技術格差の解消や高度経済成長に向けた科学技術が進展した時代 経済発展・所得拡大に向けた科学技術振興 (科技庁設置、理工系人材増強、自主技術開発の促進) 原子力や宇宙に関する研究開発の本格化 1971~1980年 経済成長のひずみ是正や世界情勢と調和した科学技術が求められた時代 公害問題の深刻化、石油危機への対応 ライフサイエンス、海洋開発などの進展 1981~1994年 貿易摩擦や円高などを背景とした創造的科学技術の重視が進んだ時代 貿易摩擦の深刻化と創造的科学技術の振興 国際共同プロジェクト (ISS等) 参画、原子力や宇宙等の国産技術開発の開花 先端科学研究を取り入れたがん対策、地球環境問題への世界的な関心 第2章 科学技術基本法制定からの30年 1995~2000年 科学技術創造立国の実現に向けて科学技術基本法が制定された時代 基本法制定に伴う科学技術基本計画の策定と政府投資の拡充、ポストドク1万人計画 科学技術への信頼を揺るがす事件・事故の頻発、生命倫理や環境問題など科学と社会の近接 すばる望遠鏡やニュートリノ観測などの基礎科学の進展と知財保護の本格導入 2001~2012年 省庁再編と科学技術政策の戦略的重点化が進んだ時代 担当大臣やCSTPの設置など科学技術の司令塔機能強化 省庁再編及び国研・国立大学の法人化、研究開発力の強化 重点分野や国家基幹技術の設定など「選択と集中」の進展 知的財産・宇宙開発・海洋開発における基本法制定と戦略本部設置 「はやぶさ」やiPS細胞、スーパーコンピュータの開発等の成果 東日本大震災等に伴う科学技術に対する意識変化 2013年~現在 科学技術・イノベーションが経済成長や国家戦略の柱として位置付けられた時代 経済再生やSociety 5.0の実現に向けた科学技術・イノベーションへの期待 (科学技術・イノベーション基本法への改正、関連法の改正、CSTIへの改組、 研究力低下に対する対策(大学ファンドやJ-PEAKSの創設、国際頭脳循環の強化等) 感染症、カーボンニュートラル・半導体、AI・量子など時代に沿った研究の推進 経済安全保障(重要技術の育成や国外流出防止)の重要性の高まり 日本発の青色LEDやリチウムイオン電池の普及 第3章 我が国の科学技術・イノベーションの振興に向けて 基本法制定後30年間の日本の科学技術・イノベーション政策の振り返り 科学技術・イノベーション政策は、時代の変化やその時々の要請を踏まえて、その役割を柔軟に変化・拡大させつつ様々な施策を実施。 一方で基本法で課題として認識されていた基礎研究力の低下、若手研究者の雇用環 境、研究支援人材不足等は未解決。また、大学部門への投資については、主要国が国は横ばいの状況。 このため、若手研究者・研究支援人材の拡充及び人 事給与システムの改革、研究設備・機器の共用化促進な どの実施と併せて、近年の人件費・物価の上昇等も踏ま えて、大学等の基盤的経費確保や財源の多様化が重要。 これらを実現するための人事給与や組織に関するマネ ジメントの高度化等が求