算数・数学における「データを基に数学的な表現を用いて説明する力」について 「データの活用」は、平成29年の学習指導要領改訂において、「社会生活などの様々な場面において、必要 なデータを収集して分析し、その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることが求められてお り、そのような能力を育成するため」(平成28年中央教育審議会答申)、小学校及び中学校を通じた領域と して設けられた。 今回の調査における中学校数学「データの活用」領域の問題では、箱ひげ図の問題が出題された。大問7 (2)では、複数の箱ひげ図を比較して、データの分布の状況について判断した理由を説明することが求めら れたが、正答率は26.4%にとどまっている【p.26】。箱ひげ図の問題は、令和5年度調査においても出題さ れており(正答率は33.9%)、課題が継続していることが明らかになった。 また、今回の小学校算数「データの活用」領域の調査結果に目を向けてみると、折れ線グラフが表すデータ を言葉と数を使って説明することが求められた大問5 (3)では、正答率は44.2%にとどまっている 【p.21】。小学校でも同様に、令和5年度調査においても同種の問題の正答率が56.4%となっており、課題 が継続している。 中学校の段階でデータを基に「判断した理由」を説明できるようにするためには、小学校段階でグラフが表す データを言葉と数を使って表現する力を着実に身に付けさせたい。特に、目的に応じて分類整理された複数の グラフを比べ、見いだしたことを、他者に分かりやすく表現できるようにすることが重要である。つまり、 データの分布に着目して考察し判断したことについて、その理由を根拠を示しながら説明できるようにするこ とが大切である。 各小・中学校においては、これまでの調査結果を振り返るとともに、課題解決に向けて授業改善に取り組むこ とが期待される。例えば、目的に応じて、ICT等を利用してデータを整理し、代表値等を求めたり、適切なグ ラフ等で表したりして、その結果をもとにデータの分布の特徴や傾向を読み取って判断し、表現する活動を取 り入れることが効果的である。また、判断の根拠を明らかにして説明し合う活動を取り入れ、思考の過程や根 拠などを数学的に表現し合ったり、表現されたものを解釈し合ったりすることも考えられる。 27