脱炭素社会へのトランジションと循環経済への転換という、持続可能な経済成長に向けた二つの主要な政策的潮流を解説している。
タグ: 脱炭素, トランジション・ファイナンス, 循環経済, サーキュラーエコノミー, 気候変動リスク, 持続可能な成長
グローバルで加速するトレンド 第2節 第I-3-2-26図 脱炭素への移行(トランジション) カーボンニュートラル 全ての産業が、 一足飛びには、進まない 脱炭素社会 (例) ・電気自動車 ・再エネ、カーボンリサイクル 等 トランジション 段階 (例) ・ハイブリッド自動車 ・高効率発電の設備 等 (2) 非連絡イノベーション技術 (1) トランジション技術 Brown Economy (例) ・効率の悪い自動車 ・効率の悪い工場 等 日本企業 現在 2030 2050 時系列 資料:経済産業省 HP「トランジション・ファイナンス」から作成。 高まり、短期での資金調達が困難となり、金融市場で緊張が高まるリスク、③気候変動による災害の影響で、金融機関のシステム運用等に悪影響が生じて、オペレーショナルリスクが顕現化する可能性などが挙げられている。 また、「ブラック・スワン」と異なる点として、①気候変動リスクが将来顕現化することに一定の確実性がある点、②気候変動による災害はこれまでのシステム的な金融危機より深刻なものとなる点、③気候変動に関する複雑さはより高次にあり、環境、社会、経済へ大きく、かつ複雑に連鎖反応を起こしかねない点が挙げられている。 こうした気候変動リスクの下で、長期的に金融安定を保つべく、中央銀行と政策当局に対して、①不可欠な新しいポリシーミックスの探求と社会的な議論、②気候変動を公共財と捉え、金融システムの手段と改革に取り組むことなどが必須であると指摘されている。 ②「循環経済」への転換 また、「循環経済」への転換の必要性が高まっている。世界的な人口増加・経済成長に伴う資源・エネルギー・食糧需要の増加のほか、廃棄物量の増加、海洋プラスチックを始めとする環境問題の深刻化が進んでいる。こうした中、従来の「線形経済」(大量生産・大量消費・大量廃棄の一方通行の経済)に対して、近年では「循環経済」への関心が高まり、あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を図る経済へシフトすべきだという考えが強まっている(第I-3-2-27図、第I-3-2-28図)。 世界的な人口増加・新興国の経済成長に伴う消費拡大 第I部 第3章 第I-3-2-27図 循環経済の概要 凡例: 従来の資 源の流れ CEでの 資源の流れ バージン素材 製品 設計 素材加工 コンポーネント 製造 組立 ディストリ ビューション 再製造 2.0 再販売/再利用 /リファービッシュ メンテナンス 利用 シェア/PaaS (モノのサービス化) リサイクル材、 副産物 循環資源 サプライヤー クローズドループ・ リサイクル 収集 マテリアルリサイクル & サーマルリサイクル 廃棄物 新たな目的 での再利用 別ループ 別ループ 資料:経済産業省「循環経済ビジョン2020(概要)(2020年5月)」から作成。 通商白書 2022 231