サプライチェーン全体の脱炭素化やCO2排出量・削減量の可視化が進む。
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2.製造業を取り巻く事業環境の変化 ⑤カーボンニュートラル(第7章関連) サプライヤーも含めたサプライチェーン全体の脱炭素化やCO2排出量・削減量を可視化する取 組が国内でも拡大。 中小企業においても、Scope3を含めた排出量削減の取組がみられ始めている。 事例 サプライチェーン全体の脱炭素化に向けた 国内企業の取組 【セイコーエプソン(株)、(株)三菱UFJ銀行、(株)ゼロボード】 2021年10月にTCFD提言が改訂されたことを受け、上場企業はサプ ライチェーンを含めたScope3のGHG排出量を開示する必要性が生 じた。 セイコーエプソンは、国内外の主要サプライヤーに対してCO2排出要 因などのリスク分類を行う。さらに、サプライヤーへの現場確認や監査の実 施、生産ラインの改善による電力使用量の削減、輸送時の環境負荷 低減に向けた取組などのエンゲージメント活動を行う。 こうした潮流を踏まえて、CO2排出量や削減量の見える化の動きも進 んでいる。三菱UFJ銀行では、スタートアップのゼロボードと協業し、同社 が開発・提供する「zeroboard」を用いて取引先企業 のCO2排出量 を見える化するサービスを提供する。 上流 Scope 3 (1)原材料 (2)燃料 (3)エネルギー 関連 (4)輸送・配送 (5)廃棄物 (6) 出現 (7)活動 (8)リース 自社 Scope 2 産業活動にる CO2排出量 Scope 2 他社から供給されたエネル ギー使用による間接排出 Scope 1 燃料燃焼による CO2排出量 Scope 3 (9)輸送 (10)加工 (11)使用 (12)廃棄 (13)リース (14)フランチャイズ (15)投資 (資料) (株) ゼロボード 事例 Scope3を含めた温室効果ガス排出量削減の取組 【柿原工業(株)】 鋳型中子製造を行う同社は、パリ協定の目標に整合する温室効果 ガス排出削減目標を掲げる企業による国際的なイニシアチブである、 SBT(Science Based Targets)に参加。 Scope1、2の削減に向け、2030年に2018年比50.4%削減を目 標とし、使用エネルギーの可視化や再エネの導入に取り組む。 さらに、Scope3の削減にも取り組むべく、サプライヤーとの連携によ り、産業廃棄物の排気量の可視化や削減、リサイクルの推進等に取 り組む。 <SBT参加に求められる要件> 目標年 公式提出時から5年以上先、15年以内の目標 基準年 最新のデータが得られる年で設定すること 推奨 対象範囲 サプライチェーン排出量 (Scope1+2+3)。ただしScope3のScope1~3の 合計の40%を超えない場合は、Scope3の目標設定の必要は無い 目標レベル 以下の水準を超える削減目標を設定すること Well Below 2℃ (必須) =少なくとも年2.5%削減 1.5℃ (推奨) =少なくとも年4.2%削減 費用 目標妥当性確認のサービスはUSD4,950 (外税) の申請費用が必要 (最 大2回の目標評価を受ける) 以降の目標提出は、1回につきUSD2,490 (外税) (備考) 1. Scope1は、事業者自身の製造工程において生じる直接的な排出を指す。 2. Scope2は、他者から供給された電力・熱・蒸気等のエネルギーの使用によって生じる排出を指す。 3. Scope3は、その他の間接的な排出を指し、例えば、原材料の生産や輸送、製造委託した他社の 生産活動、製品の使用・廃棄過程、従業員の移動等に伴う排出を指す。 (資料) 環境省 14