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A.2022年の米国・中国が占める評価額・社数の割合は90%。
出典: 経済産業省『通商白書2022(全体版)』2022年6月公表
第3章 世界経済の長期的展望 第四次産業革命の技術革新により、(1)大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供、(2)既に存在している資源・資産の効率的な活用、(3)AIやロボットによる、従来人間によって行われていた労働の補助・代替などが可能となる179。 実際、AI、ビッグデータ、IoT、フィンテック、3Dプリンティング、ドローン、ロボット、バイオテクノロジー、量子コンピュータ等の新興技術が飛躍的に進歩し、これらの分野への投資や研究開発が世界的に増加している。今後も、こうした第四次産業革命による更なる技術進歩により、産業構造が大きく変化する可能性がある。 こうした状況の下、我が国においても、経済の優位性の維持と発展のためには、イノベーションが必要不可欠である。我が国の既存企業にとって、DXによる顧客接点の拡大や価値提供のほか、DX投資、R&D投資、人的資本投資、無形資産投資の拡大による企業変革や生産性向上を図るとともに、スタートアップとの連携やDX等を活用した新たな付加価値を生み出す新しいビジネスモデルに転換することの重要性が従来以上に高まっている。 また、イノベーションが技術の開発競争から生まれることに鑑みても、国家間で公平かつ公正な競争環境(レベルプレイングフィールド)の整備のほか、新興技術開発等のイノベーション促進やそれを担うスタートアップ、付加価値源泉としてのデータの自由な越境活動が重要であり、通商協定がそのために果たす役割も大きい。 (1) 第四次産業革命による産業構造の変化 第四次産業革命のブレークスルーにより、あらゆる分野で、革新的な製品・サービスが創出され、これまで解決が困難であった社会課題や構造的課題への対応が可能となり、産業構造が大きく変化しつつある(第I-3-2-1図)。 こうした、技術の大きな革新を踏まえ、新たな付加価値を創出する企業が世界的に多く創出されてきている。実際、革新的な技術を活用し、生み出された世界のユニコーン企業(評価額10億ドル以上、10年以内の非上場ベンチャー企業)は、2022年4月時点で、世界46の国と地域に存在(1,083社、3兆6,294億ドル)している。もっとも、全体の評価額の約70%を米国・中国が占めているほか、上位10の国と地域で評価額・社数のどちらも約90%をカバーしている。なお、技術領域としては、フィンテックが上位を占めている(第I-3-2-2図)。 こうした中、我が国のユニコーン企業は、2022年4月時点で、5社にとどまっており、米国の569社から大きく溝を開けられている。評価額ベース(78億ドル)でも世界24位に甘んじており、世界全体の0.2%を占めるにすぎない。もちろん、いわゆる米国のGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アマゾン、マイクロソ 第I-3-2-1図 第四次産業革命による革新的な製品・サービスの創出 技術 関連データ 革新的な製品・サービス 共通基盤技術(人工知能、IoT、ロボット) 運転制御技術 事故データ、カメラ情報データ 無人自動走行による移動サービス 無人自動走行車 等 生産管理技術 事故・ヒヤリハットデータ 異常・予兆の早期検知等による安全性・生産性向上、保険・格付けの高度化 等 バイオインフォマティクス ゲノム編集 生物データ 新規創薬、機能性食品、先端材料製造、バイオエネルギー 等 医薬品開発技術 介護に係る技術 健康医療データ 介護データ 個別化医薬品 自立に向けた介護ケアプラン 等 エネルギー需要設備制御技術 顧客データ エネルギーディマンドリスポンス、見守りサービス 等 金融技術 購買・商流データ、金融市場データ 取引・決済データによる与信、資産運用アドバイスサービス高度化等 資料:経済産業省(2017)「新産業構造ビジョン~一人ひとりの、世界の課題を解決する日本の未来」(平成29年5月産業構造審議会新産業構造部会資料)から作成。 179 https://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0117nk/n16_2_1.html 218 2022 White Paper on International Economy and Trade