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A.低金利環境が継続し、金利上昇という両方向のリスクに直面した課題を抱えています
金融機関が直面するリスクとして、低金利環境の継続と金利上昇という二つの方向からのリスクが存在することを指摘するファクト。
出典: 金融庁『平成29事務年度 金融行政方針』2017年11月公表
低金利環境が継続し、金利上昇という両方向のリスクに直面した課題を抱えています
低金利環境が継続し、金利上昇という両方向のリスクに直面した課題を抱えています
V. 金融仲介機能の十分な発揮と健全な金融システムの確保 平成28事務年度の金融レポートでは、我が国の金融システムの現状と課題として、金融機関の持続可能なビジネスモデルの構築と、世界的な経済・市場動向に不確実性がある中で適切なリスク管理が重要である点を指摘した。 内外の金融環境を見渡すと、引き続き、低金利環境が継続しており、自然利子率の低下による低金利環境の長期化の可能性も指摘され、金融機関の経営環境は厳しさを増している。加えて、我が国では世界に先駆けた人口の減少や高齢化の進展等の構造的な問題が見られている。 このような金融環境にあって、例えば、預金取扱金融機関の収益は、貸出利鞘や有価証券利鞘が縮小傾向にあり、特に、この1年においてマイナス金利等により国内の銀行業務の収益性は低下している。また、保険会社においては、生産年齢人口の減少等により、伝統的な国内保険市場の縮小が予想されている。こうした構造的な変化に直面している我が国金融機関には、持続可能なビジネスモデルの構築が課題となっている。 他方、過去20年間我が国で続いた低金利環境が反転し、金利が上昇する場合、特に地域金融機関で拡大してきた有価証券運用のリスクが顕在化する可能性がある。加えて、低金利環境の継続を前提とした貸出についても、経済・市場環境の変化により信用コストが発生する可能性がある。また、米欧で金融政策の正常化が進む中、レバレッジが拡大している民間非金融部門の債務支払能力の悪化や、不動産やハイイールド債等のリスク性資産価格の変動など、予期せぬ経済・市場の変化に対しても、その健全性が維持されるよう、我が国の金融機関には適切なリスク管理が求められている。このように、我が国金融システムは、低金利環境の継続と金利上昇という両方向のリスクに直面した課題を抱えている。 さらに、IT技術の進化やイノベーションの進展により金融を取り巻く競争環境が構造的に変化する中、これまで金融機関が担ってきた金融サービスが分化され(アンバンドリング)、非金融サービスと組み合わせたサービスが提供される(リバンドリング)など、顧客情報に根ざした新しい金融サービスの提供を巡る競争が激化する可能性がある。このように、広範な店舗網や巨大なITシステムといった従来の競争上の力の源泉が負のレガシーアセット化するような大きな環境変化に直面している。 金融機関においては、以上のような構造的な変化や環境変化に対して、遅れずに適切な対応をとることができる、質の高いガバナンスの構築が重要となっている。 規制環境に目を移すと、世界金融危機から10年を経て、危機再発防止のための国際的な規制改革はようやく完成しつつあり、グローバルな金融システムの強靭性の向上に貢献している。他方、一部項目の最終化の遅れが規制の不確実性をもたらしており、また、各国独自の取組みが市場の分断をもたらすリスクも懸念されている。さらに、世界の金融システムは様々な新たな課題に直面しており、前回危機の再発防止にとどまらないグローバル 16