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A.我が国はG20議長国として、これらに加え、金融市場の分断回避を主要課題に設定し、議論を深めてきた。
日本はG20議長国として、金融技術革新や高齢化・金融包摂に加え、金融市場の分断回避を主要課題として設定し、議論を深めてきた。
出典: 金融庁『令和元事務年度 金融行政方針』2019年8月公表
I. はじめに 金融庁は、平成30事務年度、デジタライゼーションへの対応、家計の安定的な資産形成の推進と活力ある資本市場の実現、金融仲介機能の十分な発揮と金融システムの安定の確保等を重点課題とした金融行政方針を策定し、金融行政を展開してきた。 デジタライゼーションへの対応については、金融デジタライゼーション戦略の下、FinTech Innovation Hubによる政策課題の抽出に向けた情報収集、FinTechサポートデスク等によるフィンテック企業の支援、金融機関による情報の利活用にかかる制度整備等を行った。一方、海外では、この間にもデジタライゼーションが飛躍的に進展し、データの利活用が国の競争力を左右するようになっている。我が国においても、こうした動向を踏まえ、適正なデータ利活用を促しつつ、利用者利便や生産性の向上につながる新たなサービスを創出していくことが極めて重要である。 家計の安定的な資産形成の推進と活力ある資本市場の実現については、家計が適切な金融サービスを選択できるよう、リテラシーの向上に向けた金融庁職員による出張授業を抜本的に拡充するとともに、顧客意識調査等を通じた販売会社における顧客本位の業務運営の浸透・定着を図った。また、コーポレートガバナンス改革の更なる推進や総合取引所の実現等に取り組んだ。他方、家計の金融資産が十分に運用・活用されていると言える状況には至っておらず、インベストメント・チェーンの各参加者が求められる役割を果たし、企業価値の向上と収益の果実を家計にもたらすという資金の好循環の実現に取り組む必要がある。また、金融サービス利用者のニーズが多様であることを踏まえ、こうしたニーズに対応した金融商品・サービスや顧客対応を普及・促進するとともに、金融サービスに関する利用者の信頼感・安心感を確保することが求められる。 金融仲介機能の十分な発揮と金融システムの安定の確保については、地域金融機関の経営者等、様々な関係者と持続可能なビジネスモデルの構築に向けた探究型対話を実施した。また、生産性向上支援チームを立ち上げ、地域金融機関の「気づき」に資する対話の実現に向け、情報・知見の蓄積に取り組んだ。金融機関は厳しい経営環境に直面しているが、金融仲介機能の発揮と健全性確保の両立への取組を力強く推進する必要がある。 これらの重要課題に関連して、例えば、金融技術革新への対応、高齢化と金融包摂は、世界共通の課題として認識されている。我が国はG20議長国として、これらに加え、金融市場の分断回避を主要課題に設定し、議論を深めてきた。今後もリーダーシップを発揮して、課題解決に向けた国際的な議論を主導していく必要がある。 また、金融庁自身を、こうした課題を常に先取りし自己変革できる組織とすることで、金融サービスの利用者の視点に立った質の高い金融行政を実現し、国民の期待や信頼に応えていくことも必要である。 このような観点から、令和元事務年度において、金融庁は、「金融育成庁」として、金融サービスの多様な利用者の視点に立ち、以下に記載する方針と施策を実行することを通じて、金融行政の目標である企業・経済の持続的な成長と安定的な資産形成等による豊かな国民生活の実現を目指していく。 1