ファクトはAIによる自動抽出です。誤りが含まれる可能性があります。正確な情報は原資料をご確認ください。
ICTを活用した業務改革により、病院の看護師が1日あたりに費やす移動時間を100分削減した事例がある。デジタルツールの導入が直接的な業務効率化につながり、看護師の負担軽減と医療の質向上に寄与することを示している。
【コラム】ICTの活用による労働効率化と医療サービス向上の取組事例 ~社会医療法人石川記念会HITO病院(愛媛県四国中央市)~ 心臓病、脳卒中、がん、糖尿病の4大疾病をカバーしながら、地域の救急医療の拠点としての役割を果たしている社 会医療法人石川記念会HITO病院。スタッフは約540人で50人を超える常勤医師を擁している。県境にあるHITO病院で は、スタッフ確保に課題感を持ち、柔軟な働き方の整備に取り組んできた。中でもICT活用によって生み出したシステ ムは他病院からの視察も相次ぐなど、医療界の常識を変える改革となっている。 ●チャットを導入 HITO病院も例に漏れず基本は対面か電話だった。「医師の指示や承認が必要な 仕事が多いため、手術や外来診療で医師が捕まらない限り仕事が始められず、ス タッフの時間外労働につながりやすいという課題がありました。」と理事長は語る。 チャットを導入したことで、急ぎ対応が必要な連絡には医師がすき間時間で返事を できるようになり、全体の作業効率が上がった。また、脳神経外科医は「なにより 電話と比べてストレスが軽減されました。また、グループチャットの中では他の人 の目があるのでハラスメントも起きにくい。若いスタッフにとっては受け入れやす いコミュニケーション方法なのではないかと思います。」と話す。 HITO病院では、病棟内を複数のセルに分け、看 護師やメディカルスタッフがチームとなって各セル 付近に常駐してケアを行う仕組みを採用している。 チャットを使えばナースステーションから離れても 患者の情報 を共有することができため、働く場所 をナースステーション中心からベッドサイドへと転 換することができた。この仕組みにより、看護師は ベッドサイドに常駐するスタッフ。チャットのおかげで どこでも情報が得られるようになった。 1日で移動する距離4~5キロ、時間にして100分も 削減することに成功し、その時間を本来業務である 患者のケアに充てられるようになった。 ●新たなデバイスや生成AIも活用 令和5年には、クラ ウドファンディングを 行い、遠隔で視点映像 を共有できるスマート グラスを購入。看護訪 問を行うスタッフと院 内の専門家がリアルタ イムでつながり、専門 職の指導を受けながら ケアサービスを提供し ている。 スマートグラスを装着してケアに あたるスタッフ さらに院内のスタッフと会話ができるデイバ イスを患者の自宅に設置する遠隔見守りシステ ムも実証実験中だ。今後は生成AIと電子カル テを活用し、患者情報の迅速な抽出や文書作成 に応用できる仕組み作りにも注力していくとい う。 今後の課題は看護師のエンゲージメントと働きがい の向上だという。令和2年からは新人看護師に1人1台タブレットを支給し、eラーニング システムを導入。「専門職はどこでも働けますから、『ここで学べる何か』が無いと残ってくれない。今と昔では価値観が変わっているので、 私たちが合わせていくことが必要だと思っています。」と理事長。 病院経営と人手不足解消に向けてもICTの果たす役割は大きく、今後も更なる改革で「選ばれる病院」づくりに邁進していく。 18