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A.リスクの変容を早期に把握することに努めた
リスクの変容を早期に把握することに努めた
出典: 金融庁『令和元事務年度 金融行政方針』2019年8月公表
統一的目線による横断的検証を深化するため、水平的レビューの対象とする金融機関を大手銀行グループに拡大した。また、モニタリングにあたり、個別大手銀行グループ担当チームと専門分野別モニタリングチーム(マネロン・テロ資金供与対策、サイバーセキュリティ等)が連携する体制を強化し、個別金融機関が抱えるリスクや課題をより包括的に検証した。加えて、内部管理部門・事業部門責任者等の経営陣や、社外取締役や外部監査人との対話を通じて、金融業を取り巻く環境が変化する中でリスクの変容を早期に把握することに努めた。また、海外拠点の実地調査や、現地当局との意見交換を従来よりも頻度高く実施し、拡大する海外業務を取り巻くリスクの把握にも努めた。このほか、課題の根本原因を追究するため、経営トップや社外取締役等との間で、内部統制機能の発揮状況といったガバナンスの実効性や、リスクテイクの姿勢等の企業文化についても議論を行った。 個別金融機関が抱える優先課題については、経営陣に対するフィードバックを通じて認識を共有し、根本原因の追究を通じた実効的な改善を促した。加えて、モニタリングを通じて得られた経済・市場環境の急激な変化への対応等に関する好事例や、海外事業の拡大に伴う外貨流動性リスクの高まり等の共通する課題は、金融庁ウェブサイトなどを通じて公表した。 【本事務年度の方針】 ②に記載の着眼点を中心に、引き続き、多様化・複雑化するリスクの把握に努め、モニタリングの中で深度ある対話を通じた課題の改善や管理態勢の高度化を促していく。また、対話を通じて得られた知見のうち、金融システムの安定確保に資する内容であり、かつ、本邦金融機関に共通する内容については、積極的に公表していく。 ② モニタリングの着眼点 【昨事務年度の実績】 大手銀行グループにおいては、引き続き、海外業務やグループ内連携を推進する動きが見られる。こうした動きに伴い、自社に内在するリスクが変容しているにも関わらず、「3つの防衛線」148の再整備や構築が不十分な事例が見られるなど、グローバルに業務を展開するにあたってのガバナンス上の課題が見られる。加えて、海外進出先の現地当局の監督目線の高まりについて本部が的確に捉えられていない事例も見られた。 海外業務については、特に拡大している業務領域に着目しモニタリングを行った。資産回転型業務や、レバレッジ・ローン残高の拡大とそれらを裏づけ資産とするCLO投資の拡大、航空機リースファイナンス等、高採算性を意識して従来と異なるビジネスの拡大も志向しており、引き続き注視していく必要がある。外貨流動性リスク管理については、粘着性の高い預金獲得施策やその他の外貨調達手段の多様化を進める取組みが見られる一方で、更なる海外業務の拡大に見合う外貨建バランスシートの持続的なコントロール策について課題が見られる。 国内業務については、超低金利環境が継続する中、特に融資規律に着目しモニタリングを行った。 148 リスク管理に関する事業部門、管理部門及び内部監査部門の機能を整理した概念。 99