水俣病対策の経験から、初期対応の重要性や、環境再生と復興におけるコミュニティの役割を学ぶ。
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第1章 第六次環境基本計画が目指すもの 人の命と健康を守る環境行政の不変の原点「水俣」 水俣病対策については、公害健康被害の補償等に関する法律に基づく認定・補償や1995年及び2009年の二度の政治解決による救済が行なわれるとともに、医療・福祉の充実や地域づくりの取組も進められてきたもの の、現在なお認定申請や訴訟は継続しており、水俣病問題は終わっていない。「水俣病被害者の救済及び水 俣病問題の解決に関する特別措置法」等を踏まえ、被害者の方々や地域の方々が安心して暮らしていけるよう、 関係地方公共団体等と協力して、補償や医療・福祉対策、地域の再生・融和等を進めていく。 ■ 我が国においては、各地において公害の甚大な被害を経験しており、1970年のいわゆる「公害国会」における多数の公害関連法が制定され、1971年の環境庁の設置など対策が急速に講じられつつあった。 ■ 一方で、1956年に公式確認され環境行政の原点とも言われる水俣病問題については、その原因を発生させた企業に対して長期間にわたり適切な対応をすることができず、被害の拡大を防止できなかった。 ■ その経験は、時代的・社会的な制約を踏まえるにしてもなお、初期対応の重要性や、科学的不確実性のある問題に対して予 防的な取組方法の考え方に基づく対策も含めどのように対応するべきかなど、現在に通じる課題を投げかけている。 水俣病の発生地域では、環境汚染に加えて、被害者の救済問題や偏見、差別など様々な問題が発生。 > 1990年から1998年の間に熊本県と水俣市の共同で「環境創造みなまた推進事業」を推進。 → 水俣再生へ向けた市民の意識づくりを実施。 > 1992年に水俣市は、全国に先駆けて「環境モデル都市づくり」を宣言。 → ごみの高度分別やリサイクルの活動を始めとするさまざまな取組を地域ぐるみで推進。 > 2001年には国からエコツーリズムの認証、2008年には環境モデル都市の認定、2020年にはSDGs未来都市の認定。 > 2012年より国、熊本県、水俣市等が連携して「環境首都水俣」創造事業を立ち上げ。 → 現在も環境を軸にした持続可能なまちづくりに積極的に取り組む。 水俣病発生地域における「もやい直し」は、地域の環境再生と復興、そしてその先にある「ウェルビーイング/高い生活の質」の 実現、また、それらの過程における「参加」の重要性や、更には地域の土台としてのコミュニティが果たす役割の大きさなどについて、 今日の我々に重要な示唆を提供。 7