消費者の脆弱性に関するコラム。現在バイアス、ナッジ、経済学的分析について解説。
タグ: 消費者行動, 行動経済学, ナッジ, バイアス, サブスクリプション, 臓器提供
【特集】第1部第2章第1節 消費者の脆弱性 第1節:消費者の脆弱性 コラム ・本文では言及しきれない様々なトピックスをコラムとして紹介。 現在バイアスを利用したサブスクリプション 定額(月額料金等)を支払うことで商品やサービス の提供が受けられるサブスクリプション。 ・消費者は、行動を先延ばしする心理特性(現在 バイアス)によって、消費者自身が期待してい たほどサービスを利用しない可能性がある。 ・サブスクリプションは、こうした心理特性を利用 した仕組みと捉えることができる。 大阪大学 大竹文雄 教授 ナッジの影響力と活用における課題 ・ナッジとは、人々が自身にとって より良い選択ができるよう手助 けすることを目的としたもの。 人々にきっかけを与えるだけで、 意思決定に影響を及ぼし得る。 京都大学 依田高典 教授 ・よほどの注意深さを持った人で ない限り、ナッジの影響から自 衛することは難しい。 消費者を欺く行為に関する経済学的分析 ・事業者間の競争が激しい場合でも、消費者 を欺く事業者が淘汰されない場合も考えられる。 ・価値のない商品のみが取引される市場では、 商品に価値のないことを知った消費者は商品を購入しないため、 事業者は消費者 を欺こうとする可能性が高まる。 大阪大学 室岡健志 教授 ※1 Garon, J., Masse, A., Michaud, P. (2014). Health club attendance, expectations and self-control, Journal of Economic Behavior & Organization, 119, 364-374. ※2 Johnson, E., Goldstein, D. (2004). Defaults and Donation Decisions, Transplantation, 78(12), 1713-1716. 8 <現在バイアスの事例:ジム契約と利用回数> ※1 ・消費者は、事前にジムの契約をしないとジム通いを先延ばしする 可能性を理解。 ⇒対策としてジムを契約。 ・しかし、契約後、自身がジムに通わない可能性を低く見積もってし まうことを理解していない。 ⇒自身の期待よりも少ない回数しか通わない。 <ナッジの影響力の事例: 臓器提供に係る同意取得> ・「臓器提供」に「同意」する人の割合は、 聞き方によって変化。 ⇒オプトイン方式(臓器提供に同意する 人が意思表示)よりも、オプトアウト 方式(同意を前提に、臓器提供に不 同意の人が意思表示)の方が同意割 合が高い。 臓器提供に「同意」した人の割合 (%) 100 99.98 98 99.91 99.997 99.5 99.64 80 60 40 20 0 デンマーク オランダ 英国 ドイツ オーストリア ベルギー フランス イタリア ポーランド ポルトガル スウェーデン □オプトイン方式 オプトアウト方式 (備考) ※2を基に消費者庁が作成。